カサブランカ

2018年12月31日

『カサブランカ』を観た。ハンフリー・ボガートの“リック”が イングリッド・バーグマンの “イルザ”と再会したがために、後悔したり未練たらしかったり悩んだりしていつものハンフリー・ボガートらしくない。軍人や警察署長、自分の店の客に見せるハッタリと駆け引きができる粋な格好いい男のほうが彼らしい感じなのでこの対比を演じているのは珍しいような気がする。

リック

カサブランカはフランスからアメリカへの亡命する人々の経由地ということで中立地帯になっている。ドイツ軍人もフランスのレジスタンスの指導者も商売人もフランス人警察署長に亡命者、イタリア軍人など多彩な人物がリックの店に集まってくるのだけど、そんな混沌としている中でも登場人物をキチンと描き分けて、どの人もとてもいい。なかでもリックと運命を共にしてきたピアニストのサム(ドーリー・ウィルソン)とカサブランカのフランス人警察署長(クロード・レインズ)がとってもいい役だ。

サム

しかしハンフリー・ボガートのラブシーンってどうなんだ?ほかの映画でもあまり見たことがないぞ。ケーリー・グラントとかならラブシーンが様になっていると思うけれどリック役はハンフリー・ボガート以外考えられない。でも話の筋から欠かせないとはいえ違和感があるなあ。これより先に見たのが『マルタの鷹』や『三つ数えろ』とか『黄金』とかだったせいなのか。

最初に出てくるアフリカの地図や地球儀パリからカサブランカまでの移動経路のアニメーション、カサブランカの遠景の書割り、パリの背景や飛行機の場面などのスクリーンプロセス、カサブランカの街のセットなど映画を形作る技術が好きだ。

話の筋といえば主人公が酒場のオーナーというのが、みんなが集まってくる場所としてとても都合がいい。ほとんどの場面がお店なんだけれどもこの店にリックは住んでいるようだから閉店後でも話が進行できてしまう。軍が使うサーチライトやお店のスポットライトそれにリックの部屋の月光と光の演出もうまい。ちょくちょく昼間の場面が挟まれるがほとんどの場面がリックの店で夜の開店時間というくらいこの『カサブランカ』は夜の映画である。

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Posted by myrte