古い機材の話 その2

入社当時(1992年頃)は VHSテープによるレンタルビデオ店が全盛期で、家庭用のビデオデッキもかなり高い率で普及していました。
ご存知の通りVHSはビクターが作ったビデオテープの規格で、発売当初にあったSONYのベータ・ベータマックスとの勢力争いに勝って、一般にはベータは負けたとか消えた状態でした。
しかし放送業務用ビデオではSONYのベータカム(BETACAM=通称ベーカム)か、panasonicのMⅡ(エムツー)の勢力争いがあり、こちらはベーカムが事実上世界標準となっていました。
テープに記録されると言ってもアナログなので、コピーや編集をすると画質の劣化がありました。
自分でもレンタルビデオ店で借りた映画をコピーしていたものです。

一方会社ではUマチックのシブサンテープの使用頻度がとても高く、だんだん新規購入やデッキのメンテナンスも限界に来ていました。
自分も録画時間20分という短い時間と、アシスタントにテープチェンジの合図を出したものの、アシスタントがよそ見をしていたり、ぼんやりしていて気づかないなどかなりストレスを感じていました。
そんなある時、会社ではカメラケーブルで制御できる業務用S-VHSデッキを、長時間記録用に導入。
これによりアシスタントの仕事もケーブルを整えることが中心になり、テープチェンジの恐怖から解放されました。
このころはテープも卸業者さんから購入していて、よく御用聞きのように営業の方が来ていたのを覚えています。
こうして会社で使用するセパレートのビデオデッキはシブサンからS-VHSデッキに置き換わり、カメラはSONY製でビデオデッキはpanasonic製というチグハグ構成となりました。
SONYのカメラは自社製品以外のビデオデッキにも対応しているのもあり、そのなかでDXC-3000は対応、DXC-M3やM7は非対応でした。
ただし対応していると言っても、カメラ内部の基盤にあるスイッチを切り替える必要があり、よくカメラ本体のふたを開けて基盤を触っていたものです。
怖いですねそれが当たり前だったんです。
ただ、長時間記録ができてもS-VHSはやはり家庭用画質レベルで、振り返ってもよくあの画質で仕事できてたものだと思います。
シブサンと比べてもS-VHSはノイズが多いので、完パケ(完全パッケージの略だと言われています)テープは目を皿のようにしてチェックしていました。

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撮影

Posted by myrte