古い機材の話 その3

ある日会社にもベーカムがやってきた。
それはUマチック(シブサン)との別れでもあった。
ただベーカムとはいえ長時間録画ができない(カメラ一体型に使用できるスモールカセットテープで30分……シブサンからたった10分増えただけ)のでS-VHSは残った。
会社ではカメラ2台、編集用のビデオデッキ(BVW-2800)1台、ロケ用の長時間記録ができるラージカセットテープが使えるポータブルビデオデッキ1台に投資(BVW-50)。
全部で5~600万くらいでしょうか?いま思っても結構な投資だったと思います。
当時業務用ではベーカムはほぼ標準でしたので、やっと他の制作会社に並んだ形です。
同時にS-VHSから比べると高画質化も達成しました。
カメラはショルダータイプのカメラです。
このタイプはビデオデッキ一体型なので重くなりましたが、一人で撮影できることもあってロケの取り回しが楽になりました。
カメラはこうして改善されましたが編集環境まではよくしてもらえず、普通編集機は再生機と録画機がワンセットでビデオデッキが最低2台要るところを1台しか購入していません。
ビデオデッキが一台しかないということは普通に考えたら編集不可能です。
そこでポータブルビデオデッキが活用されます。
子のポータブルビデオデッキを編集用再生機として使うことになりました。
従って長時間記録が必要なロケの場合はポータブルの再生機が無く、編集ができないという事態が発生していました。
ロケと編集が立て込んだときはポータブルビデオデッキの熾烈な争奪戦です。
しかしベーカムを導入しても、まだS-VHSは使われていましたので2種類並列して使っていくことになります。
そしてこの投資によりこの後6年ほどはベーカムをメインで使用していくことになりました。
当時、編集の完成品はS-VHS、またはVHSで納品というアナログテープの全盛期です。
アナログテープはその性質上ノイズなどのエラーが多く、撮影はもちろん、編集からコピーに至るまでテープを使用します。
特にコピーは完成時間と同じ時間だけ使ってコピーし、そのチェックにも同じ時間が必要でした。
コピーしたものにノイズがあると原因を遡らないといけないのでとっても大変でした。
それから25年ほど経っても、ディスクの再生チェックは完成品の時間と同じだけ必要で、ノイズなんかがあると大変なのは変わらないんすけれども。

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撮影

Posted by myrte